スクール便り

保護者の皆さまへ

子ども食堂でのボランティア活動を通じて、寮生たちの成長は目を見張るものがあります。最初はぎこちなかった包丁さばきも、今では野菜の切り方や皮のむき方が格段に上達し、料理の基本をしっかりと身につけてきました。揚げ物に関しても、以前は「火が通っているかどうか」を確認してもらっていたのが、今では自分でしっかりと判断できるようになり、料理の完成度に自信を持てるようになっています。

さらに大きな変化は、指示を待つのではなく、自ら考えて行動できるようになったことです。次に必要な準備を先回りして整えたり、周囲の状況を見て動いたりする姿は、まさに「主体性の芽生え」を感じさせます。これは単なる料理の技術習得にとどまらず、社会の中で自分の役割を理解し、責任を持って行動する力へとつながっています。

ある日、食堂の準備中に一人の寮生が「次はこれをやっておいた方がいいですよね」とボランティアの方に声をかけ、周囲の仲間を自然に動かしていた場面がありました。その姿に、指導者の方も「もう立派な戦力ですね」と笑顔で応えてくださり、子ども自身も誇らしげな表情を浮かべていました。こうした経験は、子どもたちにとって大きな自信となり、日常生活や学びの場にも良い影響を与えています。

この活動を通じて、寮生たちは「経験を積むことの大切さ」を実感し、技術だけでなく心の成長を遂げています。保護者の皆さまにおかれましては、ぜひこの変化を誇りに思っていただきたいと思います。地域の方々の温かい支えと、子どもたち自身の努力が重なり合い、未来へと続く確かな力となっています。

――この積み重ねが、子どもたちの人生を豊かに彩る大切な一歩となります。