スクール便り

長かった夏休みが終わり、今日からまた新しい一歩が始まりました。チャレンジスクールの寮生たちは、基本的に近隣の公立学校へ通学しています。朝の空気は少しひんやりとしていて、季節の移ろいを感じさせる中、寮の玄関には緊張と期待が入り混じった空気が漂っていました。

夏休み中は、キャンプや農業体験、BBQやスイカ割りなど、自然の中でのびのびと過ごし、仲間との絆を深めてきた子どもたち。そんな自由で温かな時間から一転、制服に袖を通し、時間に合わせて登校する日常が戻ってきます。

特に、過去に不登校の経験がある寮生にとっては、この「登校初日」は大きな壁に感じられることもあります。前夜には「明日、行けるかな…」と不安を口にする子もいました。けれど、朝になると、仲間と顔を合わせ、声を掛け合いながら、ひとり、またひとりと玄関を出ていきました。

その姿は、まるで小さな勇者たちの行進のようでした。

「行ってきます！」と笑顔で手を振る子。 「ちょっと緊張する…」と呟きながらも、しっかりと靴を履く子。 「一緒に行こう」と仲間に寄り添う子。

どの子も、自分なりのペースで、確かに前へと進んでいました。

私たちスタッフは、その背中を見送りながら、胸が熱くなりました。この一歩が、どれほどの勇気を必要としたかを知っているからです。そして、その一歩を支えてくれたのは、ここで共に過ごした仲間たち、そして何より、保護者の皆さまの温かな見守りと信頼です。

今日、子どもたちは「登校する」という小さな奇跡を起こしました。

それは、ただ学校へ行くという行動以上に、「自分を信じてみよう」「仲間と一緒なら頑張れるかもしれない」と思えた心の変化です。

このチャレンジスクールでの寮生活は、ただの生活の場ではありません。子どもたちが安心して自分を出し、失敗しても受け止めてもらえる場所。そして、少しずつ「自分にもできるかもしれない」と思えるようになる場所です。

保護者の皆さま、今日という日を迎えられたこと、本当におめでとうございます。そして、いつもお子さまの成長を信じ、見守ってくださっていることに、心から感謝申し上げます。

これからも、子どもたちの小さな一歩を大切に、共に歩んでまいりましょう。