スクール便り

夏の太陽がまぶしく照りつけるある日、チャレンジスクールでは寮生活を送る仲間たちと共に、湘南の海へと出かけました。全寮制のこのフリースクールでは、日々の生活の中で少しずつ心と身体のリズムを整えながら、子どもたちが自分らしさを取り戻していく姿を見守っています。

今回の海への遠足は、ただのレクリエーションではありませんでした。そこには、子どもたち一人ひとりの「挑戦」と「成長」が詰まっていました。

かつては部屋から出ることすら難しかった子が、今では自ら「海に行きたい！」と声を上げ、仲間と一緒に準備を進める姿。波打ち際で笑いながら走り回る姿。砂浜に寝転び、空を見上げて「気持ちいいね」とつぶやいたその一言に、私たちは胸が熱くなりました。

海に入るのが怖かった子が、友だちの手を握りながら少しずつ足を水に浸け、「冷たいけど楽しい！」と笑顔を見せた瞬間。その笑顔は、まるで心の殻が一枚剥がれたような、そんな輝きに満ちていました。

そして、浜辺でのバーベキュー。自分たちで火を起こし、野菜を切り、焼き上げる。普段は食が細い子も、「自分で作ったから美味しい！」と何度もおかわりをしていました。食べること、笑うこと、誰かと一緒に過ごすこと――そのすべてが、子どもたちにとっては大切な「経験」であり「学び」です。

チャレンジスクールでは、海だけでなく、川遊びや山登り、農業体験など、自然の中での活動を通じて、子どもたちが五感を使い、自分の可能性に気づいていく機会を不定期ながら大切にしています。

この夏、湘南の海で見せてくれた子どもたちの姿は、私たちスタッフにとっても忘れられない宝物です。そして何より、保護者の皆さまにお伝えしたいのは――お子さまたちは、確かに前に進んでいます。小さな一歩かもしれません。でもその一歩は、確かな希望の光です。

これからも、子どもたちが安心して挑戦できる場を、そしてその成長を共に喜び合える関係を、私たちは大切に育んでいきます。

どうか、これからも温かく見守ってください。