子どもが不登校で母親がうつから抜け出す方法|精神的負担を軽くする方法も解説
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子どもの不登校は、母親をはじめとする保護者に大きな心理的影響を与えることがあります。不登校の原因を理解し、子どものサポートに尽力する中で、保護者自身が心身の負担を抱え込み、うつ状態に陥るケースも少なくありません。
そこで本記事では、母親がうつを感じる原因やその兆候、負担を軽減するための方法について解説し、利用できるサポート体制についても詳しく紹介します。
子どもの不登校が母親(保護者)の抑うつに影響する
子どもの不登校が続くと、母親は精神的な負担を感じやすくなります。社会的なプレッシャーや家庭内の役割の変化、さらには将来への不安が複合的に作用し、母親が抑うつ状態に陥るケースは少なくありません。
文部科学省の令和5年度調査によれば、小中学校での不登校児童・生徒は約34万人に達しています。
引用:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要|文部科学省
不登校という問題が発生すると、母親は責任を感じ、自分を責めることが多い傾向です。また、孤立感や周囲からの理解不足も、母親の心理的負担を増加させる要因となります。
子どもの不登校で母親がうつになる原因
子どもの不登校が母親に与える影響は非常に大きく、うつ状態を引き起こす原因には複数の要因が挙げられます。それぞれの要因を理解し、早めに対策をすることが母親の心の健康を守るために大切です。
①社会的なプレッシャー
子どもが不登校になると、母親は周囲からの視線や評価を強く感じることがあります。「子育てに失敗したのではないか」という偏見にさらされることが多く、親としての役割に対する責任感から大きな負担を抱えやすくなります。
また、学校や地域社会との関係性を維持する中で、状況を説明したり理解を得たりすることが難しい場合、母親はさらに孤立感を感じることも少なくありません。このようなプレッシャーが重なると、精神的な余裕を失い、うつ状態に陥るリスクが高まります。
②自己評価の低下
不登校は母親の自己評価にも大きな影響を与えます。子どもの問題を「自分の責任」と捉えてしまい、親としての無力感を感じることが少なくありません。
「自分がもっと何かできたのではないか」という思いが繰り返されることで、次第に自信を失い、自己否定的な感情が強まります。このような状態が長期間続くと、母親自身の心の健康が深刻に損なわれる可能性があります。
③孤立感
子どもの不登校に関する悩みは他人に相談しにくい性質を持っています。その結果、母親は悩みを一人で抱え込むことが多くなり、社会的なつながりが希薄になることも多いです。日常的な人間関係が減少することで孤独感が増し、不安や悲しみが深まります。この孤立感が長引くと、ストレスが蓄積し、抑うつ状態を引き起こす要因となります。
④経済的な不安
不登校に伴う経済的な影響も母親の心の負担を増大させます。例えば、不登校の子どものサポートに費用がかかる場合や、母親自身が仕事を続けることが難しくなる場合が挙げられるでしょう。
家計に余裕がないと、将来に対する不安がさらに大きくなり、精神的な負担が増してしまいます。このような経済的な不安は、母親の心の健康に直接的な悪影響を及ぼします。
子どもの不登校で母親が「うつかも?」と感じるときの症状
子どもの不登校が続くと、母親自身が身体的にも精神的にも疲弊し、「もしかしたらうつかもしれない」と感じることがあります。そのサインを見逃さず、早期に対応することが大切です。以下に、母親が感じやすい具体的な症状について解説します。
①疲労感や倦怠感
子どもの不登校対応に日々時間や心を費やすことで、母親は疲労感や倦怠感に苛まれることがあります。どれだけ休んでも疲れが取れない、またはやる気が起きないと感じる場合は、心身が限界に近づいている可能性が高いです。このような状態が続くと、日常の活動が困難になり、さらにストレスを感じる悪循環に陥ることがあります。
②眠れない・睡眠障害
子どもの将来や不登校の原因に悩むあまり、夜になっても思考が止まらず眠れないというケースも多いです。睡眠不足が続くと、身体の疲れだけでなく精神的な負担も蓄積されます。入眠が困難になるだけでなく、夜中に何度も目が覚めたり、朝早く目が覚めてしまうといった睡眠障害が見られることもあります。
③集中力が続かない
ストレスや不安が強まると、注意力が散漫になり、簡単な作業にも集中できなくなることがあります。たとえば、料理中に手順を間違えたり、重要な書類を見落としたりすることが増える場合があります。このような症状が見られると、さらに自己嫌悪に陥ることがあり、精神的負担が増大するので気をつけなければなりません。
④食欲がない・体重が急に軽くなった
不安やストレスが強まると、食欲が低下し、食事をとる量が減ることも多いです。その結果、短期間で体重が大きく減少する場合があります。食欲の減少は、体調不良を引き起こしやすくなるため、健康状態が悪化しやすくなります。
⑤頭痛・肩こり
精神的なストレスは身体にも影響を及ぼしやすく、特に頭痛や肩こりが慢性化する場合があります。不安な気持ちが強くなることで、体の緊張が高まり、痛みを引き起こします。これらの身体的な症状が続くと、日常生活に支障をきたすことも珍しくありません。
不登校で母親がうつを感じる際に精神的負担を軽くする方法
子どもの不登校に直面した母親が抱える精神的な負担を軽減するためには、いくつかの具体的な方法があります。これらを実践することで、母親自身が少しでも心の安定を保つ助けになります。
①自分自身の時間を大切にする
母親として子どものサポートに時間を費やすことは大切ですが、自分のための時間を確保することも忘れてはいけません。自分自身をケアする時間を持つことで、心身のリフレッシュが図れます。
短時間でも自分だけの空間でリラックスする時間を設けると、心のバランスが整いやすくなるでしょう。このような行動が結果的に子どもへのサポートにも良い影響を与えます。
②積極的に友人や家族と話す
悩みを抱え込むのではなく、信頼できる人に話すことが負担を軽くする方法です。日々の不安やストレスを共有することで、自分一人では気づけなかった視点や解決のヒントを得ることができます。
また、他者との会話を通じて孤独感が和らぎ、気持ちが前向きになることが期待できます。話す相手が見つからない場合は、地域のサポート団体などを利用するのも効果的です。
③適度な運動を心がける
運動は体の健康だけでなく、心の健康にも良い影響を与えます。特に軽い運動やウォーキングは、気分を改善する効果があります。体を動かすことでストレスホルモンの分泌が抑えられ、気持ちがリフレッシュされる仕組みです。
実際に東京都医学総合研究所によると、運動や身体活動はうつ病を改善するのに有効と述べています。軽いウォーキングでも効果が期待できますが、運動の強度を高めるとさらなる効果に期待できることがわかっています。
引用:うつ病に対する運動療法の有効性 | 公益財団法人 東京都医学総合研究所
④リラックスできる趣味を楽しむ
趣味を楽しむことは、心のリフレッシュに直結します。忙しい日々の中でも、自分がリラックスできる時間を作り、好きなことに没頭することでストレスが軽減されます。趣味がない場合は、新しいことに挑戦するのも良い刺激となります。こうした時間を持つことで、気分が和らぎ、不安感や孤独感を忘れることができます。
⑤専門家に相談する
心の負担が大きい場合、専門家の力を借りるのも一つの手です。カウンセリングを受けることで、自分の感情や悩みを整理する機会が得られます。
また、プロフェッショナルによる具体的なアドバイスやサポートを通じて、心の安定を取り戻す助けになります。専門家への相談は、問題の根本的な解決につながるため、うつの進行を防ぐためにも積極的に利用するべきです。
子どもが不登校で母親がうつから抜け出すために相談できるサポートは?
母親がうつ状態から抜け出すためには、適切なサポートを受けることが大切です。専門的な支援を活用することで、精神的な負担を軽減し、心の健康を取り戻す一歩を踏み出すことができます。以下に、相談できる具体的なサポートについて説明します。
精神科・心療内科などの医療機関
母親が心の不調を抱えている場合、精神科や心療内科などの医療機関を利用することが効果的です。専門医による診察を受けることで、現在の状況を正確に把握し、必要に応じて適切な治療を受けることができます。
特に、不安や抑うつの症状が強い場合は、早期に医療機関を訪れることが大切です。カウンセリングや薬物治療が選択肢となり、心の負担を軽減するサポートを受けることができます。
不登校・引きこもりを支援するフリースクール
子ども自身のサポートが必要な場合、不登校や引きこもりの支援を専門に行うフリースクールを活用することもおすすめです。これらの施設では、子どもが無理のないペースで社会復帰を目指せる環境が整っています。
母親にとっても、子どもが適切な支援を受けているという安心感が得られるため、自身の心の負担を軽減するきっかけにもなるでしょう。また、フリースクールでは保護者向けの相談や情報提供を行う場合もあり、母親自身の支えとなる場合があります。
チャレンジスクールでは、安全で安心できる環境を提供するのはもちろんのこと、不登校のお子様をもつ親御さんに対してのサポートもしております。家庭環境を持続可能にするため、これまでの歩みを振り返りつつ、親子関係の見直しや新たな家庭ルールの構築をサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
地域の相談窓口
自治体が運営する地域の相談窓口も、心強いサポートの一つです。教育委員会や福祉課などの窓口では、不登校や育児に関する専門的な相談を受け付けており、具体的な解決策や支援機関の情報を提供してくれます。
また、地域の相談窓口では無料で利用できるサービスが多く、経済的な負担を気にせず相談が可能です。近隣の相談窓口を積極的に活用することで、状況改善のための具体的なステップを踏み出せます。
子どもの不登校で母親がうつの際はリラックスできる環境が大切
母親が心の負担を軽減するためには、リラックスできる環境を意識的に整えることが大切です。日常生活の中で、子どもへの対応以外の時間を持つことや、自分自身が落ち着ける場所や活動を見つけることで、心の疲れを癒すことができます。
また、過度なプレッシャーを手放し、自分のペースで過ごすことも大切です。自宅でリラックスできる空間を整えたり、自然の中で過ごす時間を取ったりするなど、小さな工夫が母親の心身に良い影響を与えます。
子どもの不登校に向き合う母親が適切なサポートを受けることで、心の負担を軽くし、自身の健康を守ることができます。必要な支援を活用することで、母親自身が安定し、子どもをサポートする力を取り戻すことができるでしょう。支援の選択肢を知り、積極的に利用していくことが大切です。