スクール便り

子どもが不登校になると、「なぜ学校に行けないのか」「どうすれば登校できるのか」と悩む親御さんは多いでしょう。不登校の原因は一つではなく、いじめ、学業不振、精神的な負担など、さまざまな要因が関係しています。そのため、親の努力だけで解決しようとすると、かえって負担が増してしまうこともあります。

本記事では、不登校の主な原因や親が抱える不安、心のケア方法、具体的な解決策を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【結論】親の育て方は子どもの不登校に関係しない

不登校に悩む親御さんの中には、自分の育て方や接し方に問題があったのではないかと考える方もいるのではないでしょうか。しかし、子どもの不登校は、親の育て方だけが原因とは限りません。実際、外的な要因や子ども自身の状況が影響を及ぼしていることが多いです。

例えば、学校でのいじめや学業不振などの問題が、子どもの登校拒否に繋がることもあります。このような場合、親がどれだけ努力して育てていても、外的な環境や子ども自身の心情に直接的な影響を与えることは難しいかもしれません。

このように、親の育て方が原因となるプレッシャーを感じることなく、子どもの個別の状況に着目し、解決策を一緒に考えていくことが大切です。

子どもが不登校になってしまう原因

子どもが不登校になる理由はさまざまです。学校でのいじめ、学業不振、精神的な不調など、外的・内的要因が複雑に絡み合っています。また、一つの原因だけでなく、複数の要因が重なって不登校に至るケースも少なくありません。ここでは、代表的な原因を詳しく解説します。

いじめ

学校での友人関係のトラブルや暴言・暴力、さらにはSNSを通じた誹謗中傷など、いじめの形態は多様化しています。これらの問題に直面した子どもは、精神的な苦痛から学校に行くことができなくなることがあるでしょう。

また、いじめが発覚しても、学校や周囲の大人が適切に対応できない場合、子どもはますます孤立し、学校への恐怖心が強まることも少なくありません。特に「相談しても意味がない」と感じると、誰にも打ち明けることができず、結果的に登校を拒否するようになってしまうでしょう。

非行・遊び

不登校の理由として、いじめや学業不振などの深刻な問題だけでなく、非行や遊びが関係するケースもあります。特に思春期の子どもは、自由を求める気持ちが強くなり、学校に行くよりも友人と遊ぶことを優先することがあるでしょう。

家庭や学校でのルールに反発し、大人の指示に従いたくない思いが強くなると、結果として学校へ足が向かなくなります。こうした場合、親が頭ごなしに叱るのではなく、子どもが何を求めているのかを理解し、適切な対応をすることが大切です。

学業不振

学業不振は、不登校の大きな原因の一つです。学校の授業についていけなくなり、成績が下がることで自信を失い、次第に登校する意欲をなくしてしまう子どもも少なくありません。

努力しても成績が伸びない場合、焦りや不安が募り、学校そのものに対する苦手意識が強まることがあります。その結果、勉強が嫌いになり、学校へ行くこと自体を避けるようになってしまいます。

精神病・神経病

精神的な健康状態も、不登校の大きな要因となります。子どもは成長過程でさまざまなストレスにさらされるため、不安や抑うつ状態になりやすいです。特に、学校生活や人間関係で強いプレッシャーを感じると、精神的に追い詰められ、登校する気力を失ってしまうことがあります。

関連記事：無気力型不登校の要因と解決法とは？

子どもの不登校に親が疲れてしまう理由

子どもが学校に行かない状況が続くと、親御さんも大きなストレスを感じることがあります。「自分のせいではないか」と自責の念に駆られたり、将来への不安が募ったりすることもあるでしょう。ここでは、親が疲れてしまう主な理由を解説し、心の負担を軽減するためのヒントを紹介します。

自責の念に駆られる

多くの親御さんが「自分の育て方が悪かったのではないか」と考え、強い自責の念を抱いてしまいます。特に、周囲の子どもが問題なく学校に通っている様子を見たり、親戚や知人から心配される言葉をかけられたりすると、自分を責める気持ちが強くなるでしょう。

しかし、前述の通り、不登校の原因は親の育て方だけにあるわけではなく、環境や子ども自身の特性など、さまざまな要因が絡み合っています。

そのため、親の責任ばかりを感じるのではなく、まずは子どもの現状を冷静に見つめることが大切です。

お子さんの将来への不安

子どもが長期間学校に通えない状態が続くと、親御さんは「このままで将来は大丈夫なのだろうか」と強い不安を抱くことがあるでしょう。特に、学歴が就職や進学に影響する現代では、「学校に行かないことで人生の選択肢が狭まるのではないか」と考え、焦りを感じてしまうことも少なくありません。

しかし、こうした言葉は、すでにプレッシャーを感じている子どもにとって、かえって精神的な負担を増やしてしまう場合もあるでしょう。そのため、将来への不安を抱くことは自然なことですが、子どもに過度なプレッシャーをかけるのではなく、今できることを一緒に探していく姿勢が大切です。

お子さんへの接し方の変化

子どもが不登校になると、親御さんの接し方にも変化が生じることがあります。以前は普通に会話していたのに、何を話してよいかわからなくなったり、学校に関する話題を避けるようになったりすることもあるでしょう。

特に、不登校の子どもは学校に行けない自分に対して罪悪感を抱いている場合があり、親の言葉一つで気持ちがさらに沈んでしまうことがあります。そのため、親子の関係を良好に保つためには、無理に登校を促すのではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら接していくことが大切です。

不登校の解決策が見つからない

子どもが不登校になったとき、親としては何とか解決したいと考えることでしょう。しかし、どの方法を試しても効果が感じられず、途方に暮れてしまうこともあります。

不登校の原因は一人ひとり異なり、同じ対応がすべての子どもに当てはまるわけではないため、短期間で解決しないケースも少なくありません。しかし、不登校の解決策がすぐに見つからなくても、焦らずに子どもの気持ちを尊重し、柔軟に対応していくことが大切です。

支援機関に相談しても解決しない

子どもの不登校を解決するために支援機関に相談することはよくあります。スクールカウンセラーや教育相談センターなど、さまざまな専門機関が存在し、それぞれがアドバイスを提供しています。しかし、実際に相談したものの、思うような改善が見られない場合、親としては「何を頼ればよいのかわからない」と感じることもあるでしょう。

支援機関のアドバイスは一般的な対応策が多く、個々の子どもに合った具体的な解決策が見つからないことも少なくありません。特に、子ども自身が相談を拒否している場合や、アドバイスを実行してもうまくいかなかった場合、親御さんの焦りや不安はさらに増してしまうでしょう。

このように、支援機関のサポートが必ずしもすぐに効果を発揮するわけではないことから、子どもの状況に合わせて、他の選択肢も視野に入れながら、長期的な視点で解決策を探っていくことが大切です。

いじめ・不登校の子どもの加害事件のニュースを見た

近年、いじめや不登校が原因で、子どもが事件に関与してしまうニュースが報道されることがあります。そのような報道を目にすると、「このまま不登校の状態が続いたら、わが子も同じ道をたどるのではないか」と、不安を抱く親御さんもいるでしょう。

しかし、すべての不登校の子どもが問題行動を起こすわけではありません。不登校の原因や性格、家庭環境によっても異なり、慎重に子どもの状況を見極めることが必要でしょう。報道されるケースは極端な事例が多いため、過度に心配しすぎることで、子どもへの対応が厳しくなったり、親の不安が伝わってしまったりすることもあります。

そのため、ニュースの影響で過度な心配を抱えるのではなく、目の前の子どもの気持ちを尊重しながら、冷静に向き合うことが大切です。

子どもの不登校で疲れた親の心を休める方法

子どもの不登校に向き合う中で、親御さん自身が精神的に追い詰められることもあります。しかし、親が心の余裕を失うと、冷静な対応が難しくなり、かえって子どもの不安を増大させてしまうことも。ここでは、親御さんが心を休めるための具体的な方法を紹介します。

瞑想、深呼吸、ヨガを取り入れる

心を落ち着かせるためには、リラックスできる時間を持つことが欠かせません。瞑想や深呼吸、ヨガなどを取り入れることで、気持ちを整え、ストレスを軽減できるでしょう。特に、瞑想は短時間でも効果が期待できるため、朝や夜の数分間を使って取り組むのがおすすめです。

また、深呼吸を意識的に行うことで、自律神経が整い、気持ちの切り替えがしやすくなります。子どもとの関わりでイライラしてしまうときも、まずは深呼吸をすることで冷静になれるかもしれません。ヨガも、心身のリラックスに効果的で、体を動かしながら心を落ち着ける習慣として取り入れるのに適しています。

運動習慣を作る

心の健康を保つためには、適度な運動が効果的です。運動には、ストレスを軽減し、気持ちを前向きにする効果があります。例えば、ウォーキングや軽いストレッチを行うだけでも、気分転換につながるでしょう。忙しい日々の中でも、10分程度の軽い運動を習慣にすることで、心の余裕を取り戻せるかもしれません。

趣味を見つける

子どもの不登校に向き合う中で、親御さんはどうしても子どものことばかりを考えてしまい、自分の時間を持つ余裕がなくなることがあります。しかし、長期間ストレスを抱え続けると、精神的な負担が大きくなり、親自身の心が疲れ切ってしまうでしょう。そうならないためにも、意識的に趣味を見つけ、楽しむ時間を持つことが大切です。

1人になれる時間を作る

1人の時間を持つことで、心の整理ができるだけでなく、自分自身を取り戻すことができます。例えば、カフェでゆっくり過ごす、本を読む、音楽を聴く、散歩をするなど、短時間でも構いません。

大切なのは、子どものことを考えすぎず、リラックスできる空間を持つことです。日常の中で「親」であることを忘れ、1人の時間を楽しむことで、心の余裕が生まれるでしょう。

関連記事：子育てに疲れたらどうしたらいい？原因と9つの対処法を解説

子どもが不登校でも焦る必要はない！

子どもが不登校になると、「このままで将来は大丈夫なのか」と不安を感じる親御さんは多いでしょう。しかし、不登校は決して特別なことではなく、進学や学びの機会も失われるわけではありません。ここでは、不登校に対する捉え方を見直し、焦らずに子どもと向き合うための考え方を紹介します。

不登校は特別なことではない

不登校になると、「わが子だけが特別に問題を抱えているのではないか」と考えてしまう親御さんもいるでしょう。しかし、日本では年々不登校の児童・生徒が増加しており、決して珍しいことではありません。

不登校の背景には、学校環境の変化や社会の多様化、子ども一人ひとりの特性など、さまざまな要因があります。決して「怠けている」「親のしつけが悪い」などの単純な問題ではなく、子ども自身が何らかの困難を抱えている場合が多いです。したがって、周囲と比較したり、焦ったりする必要はありません。

不登校でも進学できる

子どもが不登校になると、「このままでは高校や大学に進学できないのではないか」と不安を感じる親御さんもいるでしょう。しかし、不登校の経験があっても、進学の道が閉ざされるわけではありません。現在の教育制度では、学校以外での学習方法や進学ルートが整備されており、不登校の子どもでも将来の選択肢を広げることができます。

例えば、通信制高校や定時制高校、フリースクールなど、学校以外の学びの場を活用することで、高校卒業資格を取得することが可能です。また、高等学校卒業程度認定試験（高認）を受けることで、大学や専門学校への進学も視野に入れられるでしょう。

学校以外でも学べる場所がある

学校に通えなくても、学びの場は学校以外にも数多く存在します。不登校になると「勉強が遅れてしまうのではないか」と心配になるかもしれませんが、今の時代、子どもが学べる環境は多様化しており、学校に通わなくても学びを続けることが可能です。

また、オンライン学習も選択肢の一つであり、インターネットを活用した授業や、家庭教師による個別指導を受けることもできます。

支援機関では解決しない場合は全寮制フリースクールがおすすめ！

支援機関に相談しても、不登校が解決しないケースもあります。そのような場合、環境を変えることが有効な選択肢になるかもしれません。ここでは、全寮制フリースクールのメリットを解説します。

カウンセリングなどのサポートを受けられる

全寮制のフリースクールでは、学習支援だけでなく、子どもの心のケアにも力を入れています。不登校になる背景には、いじめや学業不振、家庭環境の変化など、さまざまな要因が絡んでいるため、子ども自身が安心して気持ちを整理できるように、カウンセリングやメンタルサポートを受けられることは大きなメリットです。

また、フリースクールのスタッフは、不登校の子どもに対する理解が深く、一人ひとりの状態に合わせた対応をしてくれます。

規則正しい生活を送れる

不登校の子どもは、生活リズムが乱れがちになることがあります。学校に通う必要がなくなると、夜更かしや昼夜逆転の生活になりやすく、それが長期化すると心身の健康にも影響を及ぼすでしょう。しかし、全寮制のフリースクールでは、規則正しい生活を送ることが求められるため、自然と生活習慣を整えることができます。

同じ悩みを抱える仲間ができる

不登校の子どもは、「自分だけが取り残されているのではないか」と学校に通えないことへの罪悪感や孤独感を抱えていることが少なくありません。しかし、全寮制のフリースクールでは、同じような悩みを持つ仲間と出会うことができます。

そのため、学校では理解されにくかった気持ちを共有できたり、自分と似た境遇の仲間がいることで安心感を得られたりするでしょう。共に生活しながら支え合うことで、他者との関わりに自信を持てるようになることも期待できます。

通学の必要がない

不登校の子どもにとって、毎日の通学が大きな負担になっていることは少なくありません。その点、全寮制のフリースクールでは、生活の場と学びの場が同じ場所にあるため、通学に伴うストレスがなく、落ち着いて学習に取り組むことができます。

勉学に集中できる

不登校の子どもの中には、学校の環境が合わずに学習に集中できないことも多いでしょう。そのため、「勉強が遅れてしまった」と不安を感じることがあります。しかし、全寮制のフリースクールでは、一人ひとりのペースに合わせた学習環境が整えられているため、無理なく勉学に取り組むことができます。

不登校の子どもの全寮制フリースクールの選び方

全寮制フリースクールを選ぶ際には、子どもの特性や家庭の状況に合った環境を見極めることが大切です。適切なスクールを選ぶことで、子どもが安心して学び、成長できる場を確保することができます。

学費

全寮制フリースクールの学費は、施設の運営費や提供されるサービスによって大きく異なります。高額な場合もありますが、その分、学習支援や生活サポートが充実していることが多いです。費用を確認し、家計に無理のない範囲で選ぶことが求められます。

サービスの対象年齢

フリースクールごとに受け入れ対象年齢が設定されており、小学生から高校生まで幅広い年齢層に対応する施設もあれば、特定の年齢層に特化した学校もあります。子どもの成長段階に適した環境を提供できるかが選択のポイントとなります。

カリキュラム

各フリースクールのカリキュラムには特色があり、学習重視のものや、個々のペースに合わせたプログラムが用意されている場合があります。子どもの学力や興味関心に合うカリキュラムを提供しているかを確認し、学習面での負担が適切か見極めることが大切です。

運営母体

フリースクールの運営母体は、教育機関、民間団体、NPOなど多岐にわたります。運営方針や理念によって教育の方向性が異なるため、信頼できる組織かどうか、実績があるかなどを事前に調べておくことが望ましいです。

子供が安心して学べる環境か

学習環境や人間関係の面で、子どもが安心して過ごせるかは重要な要素です。少人数制や個別対応が可能なスクールでは、一人ひとりのペースに寄り添った支援を受けることができます。施設の見学や説明会に参加し、実際の雰囲気を確かめることで、より適切な選択ができるでしょう。

不登校で親が疲れた場合は第三者に相談しよう

子どもの不登校が続くと、親御さん自身も精神的に疲れてしまうことがあります。家庭内での対応に限界を感じたときは、一人で抱え込まず、専門機関や支援団体に相談することが大切です。

チャレンジスクールでは、不登校の子どもたちが安心して過ごせる全寮制の環境を整え、学びや自己肯定感を取り戻すサポートを行っています。親御さん向けの相談も受け付けているため、まずは無料相談を活用し、解決の糸口を一緒に探してみませんか？